ロンドンのストリートスナップ写真

120フィルムとロンドンのストリート

時間があれば、ハッセルとフィルム、露出計を鞄に入れてロンドンの街を歩いた。夜は現像して、撮った写真と静かに向かい合った。ここに並ぶのは、そんな時期に西ロンドンを中心に撮ったモノクロ写真。

時間があるときは、ハッセルとフィルム、それに露出計を鞄に入れて、ロンドンの街へ写真を撮りに出かけた。目的地はだいたい決めない。歩いているうちに、行くべき場所が向こうからやってくることがあるから。西ロンドンのあたりを、季節や天気にかかわらず、ひとりで歩いた。

家に帰ると、夜はフィルムを現像した。ダークバックの中で手を動かしながら、昼間に見た光や影をもう一度たどっていく。乾いたフィルムを切り、スキャナに入れて、撮った写真と向かい合う。にらみ合うというより、互いに黙って、相手の出方を待っているような感じだった。

ここに並んでいるのは、そんな時期に西ロンドンを中心に撮ったモノクロ写真だ。僕にとってそれらは、街の記録というより、あの頃の呼吸や歩幅を思い出すための、小さな手がかりになっている。